４０年前の自転車、それも学生時代の思い出の品、ふとまたあの頃のように自転車に乗りたくなって、どこか自分の想いを受け入れるショップがないかと、訪ねて来られました。

単なる修理であれば、普通にメンテできるのだが、思い出まで復元は出来るのは難しいのである。

サイクルロッジタニグチに持ち込まれたときは、タイヤとかブレーキとか、どこかで交換したらしく、それが想いの物とは程遠かったので、まず再生できますかとの事であった。

当時の一枚皮のサドル、まことにレトロである。

この感覚をどうとらえるかで、お客様の希望に近づけるか否かの分かれ道なんです。

変速の段数も今や珍しく５速で、それに対応するチエーンは、直接メーカーへどうにか頼み入手できました。保存状態がいいので、泥除けとか車輪の状態も良く、このあたりが私の職人魂に火を付けています。て、言うか自分もこのような自転車に乗ったのがきっかけで、この業界に入ったわけであります。フロントに専用のバックを付けるキャリアも入手でき、少しずつお客様の理想に近づいています。

持ち主の方は、完成後は外に飛び出し、再び風を切る感覚を味わいたいとのことで、私も久しぶりに楽しいです。

学生時代は、箱根駅伝を３回走った有名ランナーであることを、あとで知りました。